「日本は米の国で、日本政府がうなるほど倉庫に備蓄している。
個人が米を備蓄するのは無駄、プロの農家が毎年作っているから心配ない」
そんな記事をあるところで見て、がっくりきました。

嗚呼、​そのような方に、​農水省の備蓄ページ​を教えてあげたい。​

​政府が備蓄​している量をご存じですか。
下のリンクでもわかるように、約100万トンです。
農水省のページ

なーんだ、やっぱりたくさんあるじゃないか。
と思ったあなた、計算機持って!

これを​国民一人当たりの量​に計算してみましょう。すると
なんと8.3キロです。
​​​たった8.3キロ。​​​
55合。一日1合としても、1カ月半ちょっと
育ち盛りの子どもなら、1カ月もちません。


でも、今だって全国でコメを生産してるじゃないか
と思いますよね。
国内のコメ生産量は年々減少し、現在は約700万トン​です。
​国民一人当たり約50キロ。​
​配給されても、一年もちません。

さらに深刻なのは、
・全国の米どころで度重なる水害
・米の作り手が激減している
こと。

「来年は米がなくなる」とJAが警告している​
という内容で、YouTubeで警鐘を鳴らしている農家の方がいます。

【食糧危機】JAが警告 来年、米がなくなります - YouTube

発信されているのは、
トモ農園さん
農業のプロの方です。
農協の試算情報と現状を踏まえての発信です。

**********以下おおまかなまとめ**************
来年(令和5年度)米農家の98%が赤字経営になる見通し。
肥料の不足と超高騰、
農家経営者の超高齢化。

小規模農家は続けるに続けられなくなる。
小規模農家は全体の9割強
まともに米を作って経営が成り立つのは、全体のわずか1.7%
**********************************

食糧自給率を支える米がこのような状況なのです。

それじゃ、米農家の倉庫に眠っているでしょ。
それを分けてもらえばいいじゃないか。
甘い!
75年ほど前の危機的食糧難の時代、
米を農家から容易く買えた人がどれだけいるでしょうか。
自分がその立場になれば
いのちに関わる宝を、そう易々と他人に分けようとは思わないはず。


米は有り余っているから大丈夫
​​​​そんな時代はもう過去の話です。

自分の身は自分で守るしかありません。

人間は自分の身の回りで異常が起こった時、
落ち着きを取り戻すために、
「大したことじゃない」と心にふたをする習性があります。
これを「
正常性バイアス」といいます。
災害の際に話題に上がるのでご存じの方も多いでしょう。

いま、周囲の人に食糧難の話をしても笑うだけで、
耳を傾けようともしません。
目前のテレビにガソリンや電気代高騰のニュースが映っていても
そこから前に進まない。思考停止してしまっている。

それでも、そろそろ誰もが心のどこかで「おかしい」と思い始めてはいないでしょうか。
毎日のように物価が上がり続けているのです。

楽天の買い回りもとうとう、
3980円以上しかカウントできなくなるようですね。
巨大企業でも余力がなくなってきている、ということです。
企業の力が弱まれば、国力も弱まる。
今は国が補助してくれているガソリン代も、いつまでこの価格か。
燃料が高騰すれば現在の物価上昇などと比べようのない高騰が来る。


​風が吹けば桶屋が儲かる​​

世界の穀倉地帯が再起不能になれば、どうなるのか。
​いま、お茶の間でも真剣に向き合う時期に来ているのではないでしょうか。​


米の備蓄についての詳しい話は、
先日書いた記事
​来年用の米をなんとか確保しておく
を参照ください。

みなさんの参考になれば幸いです。
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